Nizi Project Season2に見る、時の流れの残酷さ

三浦颯大の話

n-miharu.hatenablog.com

 

 

Nizi Projectというオーディション番組。

一部の参加者を取り上げて悪い態度を映すという、いわゆる「悪編」が少ないと言われている。

またレベルが高く、参加者の人数がある程度絞られるため、ほぼ全員が放送でピックアップされるチャンスがあり、参加者全員を好きになりやすい傾向がある、と思う。

 

しかしNizi Project Season2には、他のどのオーディション番組とも違う残酷さがある。

絶対に変えることの出来ない、長期に渡る「時の流れ」を感じさせる残酷さがある。

 

 

ja.wikipedia.org

Nizi Project Season2

2021年6月 ツイッターアカウント開設

2021年7月 ローンチ発表

www.oricon.co.jp

2021年7月~10月 募集開始

2021年11月~12月 世界11都市でのオーディション

2022年5月 地方三次審査終了

2022年12月 デビューメンバー決定(約一年をかけたオーディション)

2023年3月 デビュー

・・・という予定でした。

 

しかし実際は、地方三次審査終了を告げた2022年5月5日のツイート(ポスト)から次のツイート(ポスト)まで大きく間が空くこととなりました。

次のツイートは虹プロ2の放送開始予告。2023年6月30日。

進行は約一年遅れたことになります。一体どこで狂った??

 

コロナが影響したのは間違いない。

Nizi Project Season2 Part1-1

youtu.be

3:48~ぐらいから。

J.Y.Parkが日本に行く機内でコロナ濃厚接触者になってしまい7日間の隔離。名古屋・福岡での地方三次審査に出席できない事件が発生します。思えば、ここからもう不穏だった。

wikiには「パート1の第9話で最終ミッション直前にコロナ陽性者が出てしまい延期が決定、1ヶ月前後の期間を開けてグループステージ披露となった」とあります(このソースは一体どこなんだろう。Huluで放送された完全版で言われたのだろうか)

去年ぐらいにオーディションはとっくに終わったと思っていたんだ、自分は。放送だけが遅れてるんだと思ってた。

・・・しかし、どうもそうじゃないらしいぞ?

 

自分は虹プロ1を完走していないのですが、虹プロ2の前にやっていたアメリカ版虹プロA2Kを見ていました。

A2Kも4つのストーン、地方三次審査、ロス・ブートキャンプ、韓国合宿審査と、虹プロと全く同じ流れで進んでいきます。

A2Kのロス・ブートキャンプ(虹プロでいう東京合宿)と韓国合宿の間には6ヶ月のブランクがありました。

この6ヶ月の間に参加者の間で大きな実力差が生まれていました。

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6ヶ月の間に最年少12歳のカイリーは大人びた顔つきになり、ダンスだけでなくボーカルが大いに伸びていました。その勢いのままファイナル審査ではリーダーも務め、見事デビューを勝ち取ります。

他方、その美貌から人気もあったユナはJ.Y.Parkから「一人だけ実力の差がある。深刻だ」と言われてしまい、緊張から生じるダンスの早取りを最後まで改善できず、韓国合宿で唯一ファイナルを前に脱落しました。

 

おそらく虹プロ2ではA2K以上に、東京合宿審査と韓国合宿審査の間のブランクが空いていたと思われるのです。そのブランクが長くなった分、オーディション全体を通した期間も1年から2年を要するものとなりました。

A2Kの韓国合宿初回審査を見て痛感したこと。それは「人は6ヶ月あれば十分に変われるんだ」

まして彼らは10代です。

顔つきも、ボーカルも、ダンスも・・・

 

 

虹プロ2では東京合宿の上位者が軒並み脱落したことが話題になっていました。東京合宿のランキングは無意味だったのではないかと。

しかし、これこそが虹プロの醍醐味であり残酷なところなのです。

 

オーディション前に長い待機期間があるのではなく、オーディション中に長いインターバルがあり、その間に埋めようのない大きな差がついていく。

数か月にも渡るインターバルの間、参加者各々がどう過ごし何が起こったか、視聴者は何も知らされない。彼らの空白期間を応援することも出来ず、ただ突然始まるインターバル後の韓国合宿という結果を見届けることしか出来ない。

 

2年の間に伸びたユウキの背丈を見た時に実感する。長い時が流れたことを。変えられない時の流れを。

他のサバ番にない、虹プロの残酷さがここにある。

 

 

自分の推しだったソウダイは、変われませんでした。

三浦颯大。2005年生まれ18歳。JYP練習生歴1年1ヶ月。

彼の初登場時、地方三次審査で見せたボーカルは圧倒的でした。でもそこから変われなかった。

 

JYPのオーディションではImprovement(成長、改善)を重視します。

それはNizi Projectで審査員として表に立つJ.Y.Parkが体現していることでもあると思われます。

ずっと芸能界の第一線に立ち続け、チャート一位に輝く数多くの曲を作り、歌い、踊ってきたJ.Y.Park。

体型維持、一日も欠かさないダンスとボーカルの練習という変わらないルーティーンの一方で、マインドは時流にあわせて変わっていかなければ、芸能界では生き残れない。

 

自分はJ.Y.Parkのライブ動画「JYP NO.1 X 50」(J.Y.Parkが作った曲でチャート1位に輝いた曲で構成されたコンサート)が好きで時々見返しているのですが、このコンサートの冒頭はJ.Y.Parkの昔の映像から始まります。そして「Prease Don't Leave Me」へと続くのですが

youtu.be

J.Y.Parkの昔の曲、ダサい曲多いなと自分は思ってしまう。*1

1995年や1998年頃のこの曲のライブ動画も見たけれど、外見も今の方がかっこいいし、歌も今の方が上手い。

 

TWICEを生み出したサバ番「SIXTEEN」やStray Kidsを生み出したサバ番「Stray Kids」では、Nizi Projectからは思いもよらないくらいJ.Y.Parkは厳しいです。もうああいう厳格なスパルタは今の時代にはそぐわないんだな。彼も時代とともに変わっているのです。

 

 

ソウダイは、変われませんでした。

でも、彼がどうしても変われなかったところ、歌い方だったり性格だったりは、彼の根幹を成しているものでもある。

彼の変われなかったところは変わらなかったところでもあります。彼が変われずにNizi Projectで脱落したことと、その変わらないところを自分が好きなこととは、また別の話です。

 

三浦颯大が脱落した放送の後、ほどなくして彼のインスタが公開されました。

https://www.instagram.com/_sooodai.m._/

天高い秋空を望み満開のコスモス畑の中に立つ彼。

彼の表情は伺えませんが、解き放たれたかのように自分には見えた。

 

颯大君、お疲れさまでした。

JYP練習生以前の彼の経歴は知らないのですが、JYP練習生歴がたった1年弱にはとても見えなかった。

まだこれからも人生は続くよ。*2

 

 

次回。

ファイナルにして虹プロ2シグナルソング「Here & Now」お披露目。滅茶苦茶好みだったのですが、これ音源は出ないんでしょうか?;;

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*1:毎年冬恒例、J.Y.Parkのカムバック。今年のカムバ曲「Changed Man」がホヤホヤの新曲なのにクッソダサいのはまた別の話。

Changed Man - J.Y. Park [Music Bank] | KBS WORLD TV 231124 - YouTube

この曲クッソダサいなと思ってたんですけどね、やっぱり狙ったダサさだったんですね。すみませんでした。

박진영 (Park Jin young) sweet dreams 외 3개 - 축하공연 [제44회 청룡영화상 시상식] | KBS 231124 방송 - YouTube

この時のライブこのドギツいメイクばかりがXでは流れてきたのですが、

*2:2023/12/22追記。先日インスタライブをやっていて、少し恥ずかしそうに「Home」「君が好き」を歌ったりしていた。自分が一番腑に落ちたのが好きな歌手にDEANを上げていたこと。分かる。やっぱり君はそっち系、しっとりと歌い上げる派だよ。そして虹プロ2で彼が選ばれなかったのは、駄目だったのではなく、あわなかっただけなんだと納得できた。DEANが好きといってくれた颯大君のおかげで亡霊にならずに済みそうです。