音のきろく

そこの大阪のお嬢さん、SMTMに出たいのかい?

10年経って届いた曲

最近GaiaのDJ setを聴いているせいか、Armin van Buurenの過去のDJ setをYouTubeにおすすめされる。

ピンポイントでイイところを突いてくるんだ、これが。これ聴き始めたら家に帰れなくなるからやめろ。

 

 

ASOT650が好きという話はこのブログで散々書いているのですが、これとか。

n-miharu.hatenablog.com

おすすめされる音源はもう少し前のヤツ。ASOT500の頃。ASOTアンセムでいえばGAIA「Status Excessu D」の頃。

n-miharu.hatenablog.com

 

youtu.be

Armin Van Buuren A state of Trance 500 Buenos Aires

youtu.be

今のセットで流れる面々とかなり違う。往年のトランスDJが並んでいるし、ビッグルームに舵を切る前のW&Wの曲もある。

この時もThe Thrillseekers「Song For Sendai」を流しているんだ・・・(Live at Buenos Aires、9:30~ぐらいから。身を切り裂くような痛ましいピアノの音からこの曲は始まる)

n-miharu.hatenablog.com

 

ASTO500開催、当時のステートメント

A State of Trance 500 « A State of Trance

↑にはツアーデートは載っていないのですが、調べた。

2011/3/9   Johannesburg

2011/3/27 Miami

2011/4/2   Buenos Aires

2011/4/9   Den Bosch

2011/4/16 Sidney

 

2011/3/11に東日本大震災発生。The Thrillseekers「Song For Sendai」、リリース日は2011/4/8となっているけれど、アーミンが速攻でかけたんだな。

この曲は2011年のイヤーミックスにも選ばれている。

Song for Sendai

Song for Sendai

  • The Thrillseekers
  • ダンス
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

ただこの頃、アーミンの来日歴としてはちょうど来日が途絶えた頃にあたっていて。

 

※ソース

NEWS|ARMIN VAN BUUREN JAPAN OFFICIAL WEBSITE

2015年にElectroxで来日した時のインタビューですが「来日久々じゃないか?」と(尤もこの時、アーミンのことはあまり追えていなかったのだけれど)

 

「7回日本に来て、12回公演を行った」

「初めて日本に来た時は2000年」

「東京ageHaでは2005年から2009年にかけて4度プレイ。大阪Underlounge、東京velfarreでは共に2000年と2002年に2度ずつプレイしている」

「日本で初めてプレイしたクラブは東京のClub Furaである。東京のClub Complex CODEでは2000年と2002年にプレイしている」

 

これらのことから2009年を最後に、2015年に来るまで少し間が空いたのではないかと思われる。

欧州を中心にトランスが流行り、その波が日本にも届く中でローカライズされ(AYUトランスとかサイバートランスとか)、そしてトランスの流行がおさまる時期にあたった感じがあった、当時。

実はUltra Japan(2014)にはそこまでは期待をしていなかったんだ。日本のダンスマーケットはいつも他の国と少し違っているし、少し上を行っているからね。

日本で流行る音楽がドメスティックで内向的になると、大体言われる言葉。「日本(で流行る音楽)は他の国とちょっと違ってる」

 

 

だから。

何年も日本に来ず来日ライブもなかったのに、遠くの国のライブでこんなに日本の震災の曲を流していたなんて、思いもしなかった。

トランスが好きで、アーミンが好きで、そういうコアな人以外で、この事を知っていた人はどれくらいいたのだろう。

きっと多くの、聴いて欲しい日本の人には届いていなかったんじゃないかとも思う。

 

その一方でこの曲がイヤーミックスに選ばれたという、作られたきっかけを超えて普遍的ないい曲であるという一面もあって。

10年経って、このSong for Sendaiが自分のところまで届いたんだ。

 

10年。

未曽有の大災害の後、時が流れる中で、色んな事に折り合いをつけて、それでも人生が続いていった10年。

でも亡くなった人は帰ってこないし、震災がなければ続いていった人生だってあった。

周りの人が立ち直ったかのように見えても、たとえ何十年経とうが自分の傷は今でも癒えていないと言っていいんだ。人と比べることじゃないし、「まだ?」と言われることでもない。

 

音楽は時を超える。この曲を聴けば、あの頃に引き戻されて寄り添ってくれる。