Authority Zeroというパンクバンドのライブに行ったことがある。
渋い曲が多いけれど、この曲とか好きかなぁ。
Authority Zero「On Edge」。この曲が収録されている「12:34」はいいアルバムです。
On Edgeはこのアルバムの二曲目に収録。アルバムの二曲目ってキャッチーなリードシングルが多いと思うんだけど、こういうイメージも配信が主流になったら消えていくのかな。
2023年の来日が延期になっていたなんて全然知らなかった。イベンターがクリエイティブマンだということも。そんなメジャーなバンドだったっけ!?
何年も前に小さなライブハウスでAuthority Zeroを見た。
天井も低ければステージも低いハコ。来ている客も勝手知ったる様子で、一番後ろで見てもせいぜい三列目ぐらい。最後列でもよく見えるので無理をして詰める客もおらず、フロアは適度に空いていた。
Authority Zeroがステージを終えた後で、日本のバンドが後座を務めたのだけれど。
Authority Zeroのメンバーはフロアをふらふらと歩いたり、顔見知りの関係者や知人と話したり、おそらく知り合いでもあるバンドの演奏に一緒にノっていたりしていた。
彼らはついさっきまでステージの上にいたのに、その低いステージからフロアに降りた後は歓声を上げていた客と同じただの音楽好きになって、一緒に大きな体を揺らしている。
誰も彼も彼らに殊更に絡んだりせず、ただ一緒に好きな音楽を聴いている。
あるいは。
Orbitalって活動休止期間もあったのに、何だかご縁があってライブを二回も見ている。しかも兄のフィル・ハートノルのDJセットではなく(これだって凄く見たい)二人揃ってのライブセット。
本当にこういうのってご縁だよなぁ。毎年のように来ている海外アーティストだっているのに、一度もライブを見に行けてないアーティストもたくさんいる。
2012年のメタモルフォーゼというフェスにOrbitalが来た時のこと。
うわー、HP復活してる!
164usersもはてなブックマークのコメントがついていて、どんなコメントがついてるんだろうと見に行ったら化石を拾いに行ったみたい。
いわゆるテクノ四天王(Underworld、The Chemical Brothers、Orbital、The Prodigy)のライブって本当に凄くて、ライブで聴くたびにアレンジが違う。あと、とにかく音圧が凄い。
The Prodigyだけご縁がなくてライブを見たことがないんだけど、ライブ映像を見ても毎回えっぐいアレンジをかましてきているのは明らか。これ生で聴いたら凄いだろうなぁ。
そう、メタモルフォーゼで見たOrbitalがえっっぐかったんですよ。
OrbitalのChime/Crimeのライブ動画を検索するとまず出てくるのは2004年のグラストンベリー。残っているライブ動画は音もあまり良くないけれど、ふわっとした音圧でリバーブが効いてる。
メタモルフォーゼのライブは、上でYouTubeのリンクを貼った活動再開後のアルバム「Wonky」を引っ提げてのライブだった。
後ろのパネルは欧州で回っていたライブの時と同じ装置を持ってきてくれたんだよね(パネルが数枚少なかったような気はしたけど)
いや、えっぐい。こんな硬いかつクリアなキック。
2012年のメタモルフォーゼはこんな面子でした。最強。
The Flaming Lips / Orbital (LIVE SET) / Gorillaz Sound System / Galaxy 2 Galaxy / DJ AFRIKA BAMBAATAA The Amen-Ra of Universal Hip Hop Culture Father of the Electro-Funk Sounds / Omar Rodriguez-Lopez Group / Derrick May / Adrian Sherwood / Darren Emerson vs Tim Deluxe / Ebo Taylor & Afrobeat Academy / Adam Beyer / Moodymann / Lindstrom / Joris Voorn / Extrawelt / 2562 / EYE / DJ Q'HEY / MAYURI
タイムテーブルを忘れちゃったけれど、ヘッドライナーがOrbitalとThe Flaming Lips。
ヘッドライナー後の Derrick May / Adrian Sherwood / Darren Emerson vs Tim Deluxe / Adam Beyer / Lindstrom / Joris Voornからが本番って感じだった。
幕張メッセのオールナイトは夏でも冷房で底冷えする。床で寝ようとするからそう感じるんだなw
エレクトラグライドで底冷えのする床に座り、知らない人の飲みかけの缶ビールを飲んだというツイートを読んで、久保ミツロウを信じたw「モテキ」第一巻の第一話エピソード、Pendulumのライブを活写したシーンは必読です。
話がすっかりそれた。このブログではよくあること。
それでOrbitalのライブも終わり、夜も更けて、客も少なくなり。
底冷えした硬い床で横になっても疲れが取れず、Joris Voorn見たかったなぁと思いながら自分は途中で帰ったのだけれど、
聞いた話では客も少なくなった幕張メッセの会場で、ガンガンに踊っている人がいるので見てみたら、Orbitalのハートノル兄弟だったと。
さっきまでOrbitalのライブに湧いていた客に片っ端からお酒をおごられて、フィル兄ちゃんがフラフラになって踊っていたと。
そして夜が明けた晴天の幕張を、ホテルへと歩いて帰るハートノル兄弟の写真がupされていた。
さっきまでは演者と客として、ステージの上と下で向き合っていたとしても。
ひとたびステージから降りた後は、同じ方向を見て踊り、体を揺らし、楽しむ、音楽が好きなもの同士になれる。
アイドルって遠いなって思ったんだ。
原子少年の推し、范范が今日本に来ているらしい。
でも、彼が日本に来ていても、何の接点もない。なんなら彼が台湾にいる時よりも心理的に遠い。
踊ったり歌ったりする彼を見て「いつもいいものを見せてくれてありがとう」と思う。
でも、ただそれだけ。
アイドルは、遠くにありて思うもの。
そして悲しく・・・はないか、別に。